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春蔵  馬鹿野郎!!お前ほどの男が忘れたってのか?!今日はな、宝くじの抽選日だ。
士郎  あっ。・・・しまった。今日だったっけ。
春蔵  ホントに忘れてやがったのか?
士郎  いや、ここんとこ日にち感覚がなくて・・・。
春蔵  ほら、もうすぐテレビでやるぞ。早くつけろ。
士郎  (TVをつける)・・・あ、そうか。確かハルさんとこのあのボロいテレビこないだこわれたんだっけ。
春蔵  ああ、だからお前んとこに見にきたってわけだ。まあ、でもあと3日もすれば新しいのがくる。
士郎  なに、買ったの?
春蔵  ああ、今度のはすげえぞ。なんせ大型ワイドテレビ、平面ブラウン管、BSチューナー、スカパー付きだからな。
     大画面でハダカのおねーちゃんが見放題だ。
士郎  ええっ?!そんなの買ったの?どこからそんなお金…。
春蔵  決まってるだろ。これだ!(ポケットから大量の宝くじの束を取り出す)
士郎  まさか宝くじ…。
春蔵  おうよ。ボーナス全部つぎ込んで買ったからな。これで当たんねえわけがねえから、前祝で注文したのよ。
士郎  上には上がいたか・・・
春蔵  お、ほら。もうすぐはじまるぞ。
TV   「・・・それでは皆様,大変お待たせ致しました。本年度年末宝くじ、1等3億円の当選番号の発表です。」
春蔵  おい、ほらほら。発表だぞ。

テレビからはドラムロールが流れる。
テレビに釘付けになる士郎と春蔵。
ドラムロールが止まる。

TV  「発表します!本年度年末宝くじ、一等、三億円の当選番号は・・・・・・!!」
春蔵  士郎、メモだメモ!早くなんか貸せ!

士郎、慌ててあたりを見まわし、足元にあったカップラーメンの空カップと油性ペンを渡す。
士郎自身も靴下にメモの準備をする。

TV  「出ました!1等は!!
     ・・・A組!・・・0、・・・0、・・・0、・・・0、・・・0、・・・1番!!
     A組000001番です!・・・・・・って・・・えっ?!」(テレビからは会場のざわつく音)
春蔵  ・・・なになに、(メモしたカップめんを見ながら)A組00・・・000・・・01番だと・・・???
士郎  ・・・(同じく靴下を見る)
春蔵  えーと、A組、0000・・・(自分の宝くじと見比べるが、しばらくしてはたと気づく)
士郎  ・・・ハルさん?
春蔵  ・・・だーーーーーーっ!!!!
     ふざけやがってぇぇぇっ!!こんな番号あるもんかーーーっ!!
士郎  ・・・・そうだ!まったくだ!ふざけやがって!!
春蔵  こんな馬鹿みたいな番号が一体どこにあるってんだ!
士郎  そうだ!一体どこにあるんだ!
春蔵  こんな番号、どこ探したってあるわけねえだろ!!
士郎  そうだ!A組000001番っていったら俺がもってる番号くらいだ!
     ・・・・・?!!!!
春蔵  (放心状態で)・・・あああぁぁ、せっかくボーナス全部つぎ込んで買ったってのに・・・
     大画面ワイドテレビでハダカのおねーちゃん見放題がぁぁ・・・
士郎  (放心状態で)・・・お、俺は一体どうすればいいんだ・・・?!
春蔵  ちきしょぉっ・・・。俺のボーナス・・・。俺様の人生が・・・。
士郎  ・・・・・(急に思い立って)ハルさん、帰ってくれ。(無理やり春蔵を追い出す)
春蔵  なっ、なんでえ急に?
士郎  いいから早く帰れ。
春蔵  なんだよ、急用か?
士郎  明日おじいちゃんが生き返るんだ。さっさと帰ってくれ。
春蔵  お、おい。わけわかんねえこといってんなよ。

春蔵、士郎に押されて部屋から追い出される。
春蔵が帰ったのを確認する士郎。
その後、慌てふためいて部屋をあさり、ぐしゃぐしゃになったジーンズのポケットから
宝くじを見つけ出し、番号の書いてある靴下と見比べる。

士郎  ・・・・・・まちがいない。・・・A組000001番・・・。
     確かにこの番号だ・・・。
     ・・・まさかこいつが当たるなんて・・・。

士郎、しばし呆然とする。



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