暗転幕が降りている状態。
ピンスポットで士郎、景子が登場。

士郎  えっと、ワインとおつまみ、・・・栓抜きも買ったし、これでだいたいそろったかな。
景子  うん、これで大丈夫。早く帰って準備しよう。
士郎  そうだな、あとの二人が待ちくたびれてるな。
景子  あっ、そうだ士郎。忘れてた。あと、お刺身買わないと。
士郎  さしみ〜???なんで忘年会に刺身なんだよ。
景子  源宗くんが食べたいんだって。あのひとお刺身好きだから。
士郎  だからって鍋料理と一緒に食べるかねえ・・・。

ピンスポで魚屋が現れる。

魚屋  いらっしゃい。正月の買い物かい?
景子  こんにちは。ん、どれにしよっかな・・・。・・・じゃあおじさん、このお刺身1パックください。
魚屋  はい、じゃあ税込みで630円だね。(お代を受け取る)じゃあ、370円のお返し・・・と、あと、これも。
景子  え、なんですかこれ?
魚屋  ああ、うちの店ではただいま年末のサービス期間でね、お買い上げ500円ごとに宝くじ1枚プレゼント!
景子  あっ、3億円あたるやつだ。士郎、見て。いいものもらっちゃった。
士郎  ふん、悪いなオヤジ。俺はもうとっくに3億円の当たりくじを買ったあとだぜ。
景子  もう、そんなのまだわかんないじゃない。
士郎  心配すんなって。今年は絶対当たってるから。
魚屋  なんだい、兄ちゃん。ずいぶんな自信だな。
景子  このひとすっごい宝くじマニアなのよ。それで毎年大損してるんだから。
士郎  うるせえな。だから今年は絶対当たってるって言ってるだろ。
魚屋  まあまあ、だったら少しでも確率が上がったほうがいいだろ。ほら、これも一緒に持ってってくんな。
景子  うん、ありがとうおじさん。
士郎  よし、じゃあさっさと帰るぞ。
景子  あ、待ってよ士郎。
魚屋  毎度あり〜。いい年越しを。

オープニング音楽。
魚屋、ピンと一緒に消える。士郎と景子が下手に去り、暗転幕が上がる。
舞台は士郎のアパート。源宗と清美が忘年会の準備をしている。

士郎・景子  ただいま〜。
清美  あ、お帰り。
源宗  遅かったな。こちらはもう準備ができているぞ。
景子  ごめんごめん。
士郎  こいつがワインにこだわってるからだ。
景子  だって、どうせならおいしいのがいいでしょ。
源宗  金のほうは足りたか?
景子  うん、少しあまったから返すね。えっと、2千円づつもらったから・・・、はい、みんなお釣り。
源宗  別にこれくらいなら返さなくてもいいが。
士郎  いや、やっぱり金のことはしっかりやっとかないと後々トラブルになるしな。
清美  はいはい、じゃあ早速始めましょうか。

グラスに飲み物を注ぐ。準備を整えて・・・

4人  かんぱーい!

景子  こうやって4人そろうのも久しぶりだね。
源宗  そうだな。皆、いろいろと忙しいからな。・・・約1名を除いて。
士郎  だまれ。
清美  ねえねえ景子。栄養士試験のほうはどう?
源宗  そろそろ試験本番じゃないのか?
景子  うん、年明けて3月。お正月が終わったら追い込みにかからなきゃ。
源宗  それが受かれば景子料理長の誕生か。
景子  もう、気が早いって。試験に通ってからもまだまだ勉強しないと。でもね、いつかは絶対、
     自分の店を持って、それで大繁盛させるんだから。
清美  ・・・いいわねぇ、夢があるって。
源宗  景子なら大丈夫だろうな。そして将来は一流料理店店長か。
     ・・・こりゃなんとかしないと一生尻に敷かれるな。
     なあ、士郎。
士郎  だーっ。さっきからうるせえな、源宗!
源宗  だってそうだろ。景子がこうやってどんどん勉強して出世していくのに、
     お前はいつになってもしがないぷー太郎のままじゃなあ。(超嫌みったらしく)
士郎  だれがいつになってもぷー太郎だよ!俺だってそれなりに日々努力を重ねてなあ・・・。
源宗  なるほど、日々努力してこんなものばかり見ているわけか。
     (部屋に散らばっているビデオを手に取る)
清美  えっ、なにそれ?
士郎  ばっ、なに勝手に持ち出してんだよ!
源宗  なるほど・・・「やよい18歳、禁断の放課後」・・・か。なかなか面白そうだな。
景子  やだーっ!!
士郎  だっ・・(うろたえる)。見るんじゃねえ景子!・・・ちがうんだこれはだな、
     ・・・あの・・・その、・・・ほらっ、隣のハルさん。あの人が勝手に俺の部屋に持ってきてだな・・・
源宗  (レシートを見ながら)返却期限は28日までだそうだ。
     「貸出明細書・栗原士郎さま」・・・ほれ。(レシートを渡す)
士郎  ・・・・・・。
源宗  ところで士郎。お前の部屋を見ていてそのビデオ以上に気になったものがあるんだが・・・・・・
     あの怪しい物体はなんだ?


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